織莉子vsほむら!! 魔法少女おりこ☆マギカ 2巻 レビュー

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魔法少女まどか☆マギカのスピンオフ作品、魔法少女おりこ☆マギカ第2巻のレビューです。

この作品単体だけで見てしまうと凡作な感じは否めないのですが、テレビアニメ版、小説版、CDドラマ版などを見たあとにおりこマギカを見ると、すべてが相乗効果で素晴らしく見えてきます。

第1巻では、千歳ゆまが登場し、ゆまは杏子を救うため魔法少女になりました。

美国織莉子と呉キリカは魔法少女殲滅を企てます。

魔女空間の中でキリカと戦闘状態になった巴マミ。

圧倒的に押されている巴マミの運命は如何に。

 

魔法少女おりこ☆マギカ (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

というわけで、2巻のテーマは、ほむら対織莉子の戦いとなっています。

過去を何度もやり直してきて、最悪の結末を見てきたほむら。

それは、まどかが死んでしまう運命や、まどかが最強最悪の魔女になってしまう運命でもありました。

自分の最も大切な友達、鹿目まどかを救うため、ほむらは何度も時間をやり直してきています。

 

一方、織莉子は予知の力で、まどかが最悪の魔女になることを知ります。

あの魔女に勝てる者は皆無。

そうなる前にどうしてもまどかを殺害しておく必要があると考えます。

幸い、この時間軸でのQBは、まだ、まどかの存在や素質を知りません。

そこで、織莉子はQBにまどか以外に素質を持った少女、ゆまの存在をほのめかしたり、魔法少女狩りを行って時間稼ぎをします。

 

何があってもまどかを救いたいほむらと、みんなの為にどうしてもまどかを殺害したい織莉子。

二人の決着の結果は・・・!?

 

というわけで、レビューを開始します。

 


 

魔女空間の中で巴マミと呉キリカが戦っている。

マミは防戦一方だ。

というのも、魔法の相性が悪すぎる。

 

マミ(まずいわね・・・ 魔法の相性が悪すぎる)

マミ(火力では私に分があるけれど)

マミ(私の武器にはエイムとファイアの手順がある)

マミ(その隙に射線から逃れられるスピードを彼女は持っている)

マミ(拘束魔法も切り裂くことに特化したあの武器の前では無力)

高命中と高威力を誇る巴マミの銃だが、キリカのすばやい速度には当てることさえかなわない。

拘束魔法で動きを止めようにも、リボンはすぐに切られてしまい、どうしようもない。

 

キリカ「あきた」

マミ「あら 随分飽きっぽいのね。まだ何の決着も着いてないのに」

マミ「まるで子供みたい」

キリカ「だ れ が こっここ 子供だァ!」

激昂しマミに襲い掛かるキリカ。

マミは地面を撃ち、破片を撒き散らし、その隙に離脱する事に成功する。

 

無事逃げ出せたマミにみえたが、剣で足を切られ逃げ足が遅くなっている。

しかしなぜ、魔女は死んでいるのに、魔女結界の崩壊が遅いのか。

マミは気付く。

呉キリカの魔法は速度を落とす魔法。

つまり、わざと魔女に捕まってその隙に速度を落とす魔法を使った。

キリカの速度が速くなっているわけではないが、キリカ以外の速度が遅くなっている以上、キリカが速いのと同義。

作戦を練っているうちに、キリカに見つかってしまった。

 

マミはキリカに向かい1発の弾を撃つ。

その弾はまんまと避けられたかのように見えたが、キリカの背後で爆発し、キリカの背中に襲い掛かる。

マミが放った1撃は炸裂弾だった。

本来、敵の正面で爆発するように調整してあるのだが、キリカの魔法で速度が遅くなっていた炸裂弾は爆発のタイミングまで遅くなっていた。

そして、避けたキリカの背後で炸裂したというわけだ。

CDドラマでもそうだったけど、マミはかなりの戦略家のようだ。

 

 

マミ「今度はこちらの質問に答えて」

キリカ「いやだね!」

マミ「早く手当てしないと失血死するわよ?」

キリカ「結構だ! たかだか死ぬ程度で私のすべてが守れるのなら大いに結構!」

マミ「残念ね」

マミはキリカにトドメを誘うとする。

その時、爆発が起こり、白い魔法少女 美国織莉子が現われた。

 

マミ(白い・・・ 魔法・・・ 少女)

織莉子「私のこと、ご存知のようですね」

織莉子「貴女方とはまたお会いすると思いますわ。きっとその時」

織莉子「貴女はご自分の愚かさに気付くでしょう。御機嫌よう・・・」

マミ「なんてプレッシャーなの・・・ あれが白い魔法少女、織莉子・・・」

織莉子はキリカを抱き上げ姿を消した。

 

織莉子「血が止まらない・・・ どうして!? お医者さま。お医者様を呼ばなくちゃ」

キリカ(見事に弱点に打ち込まれた。巴マミは優等生だね)

キリカ「織莉子。医者は要らない。これを見せてもどうにもならないよ」

織莉子「な・・・ 何言ってるの? このままじゃ貴女は・・・」

キリカ「いいんだ。それより、私の告白をきいてほしい」

キリカは元は臆病な少女だった。

しかし、一度優しくしてもらった織莉子に興味を持つ。

興味は持ったものの、自分のことなんて忘れられてしまっているに違いないと声をかけることができなかった。

そこで、違う自分になりたいという祈りでキュゥべえと契約し、魔法少女になったのだ。

 

キリカ「ゴメンよ。織莉子が知ってる私はニセモノだったんだ。本当の私は嫌われるのが怖くて友達も恋愛も何にもできない、いじけた子供なんだ」

キリカ「織莉子。私のウソに付き合わせてごめんね。ありがとう」

織莉子「許さない。許さないわ! 絶対に許さない!」

織莉子「貴女には私を欺いた罪に報いる義務があるわ!」

織莉子「例えどんな姿になっても、私に尽くし護りなさい。絶対に許さない」

キリカ「わかった。約束するよ」

許さないと連呼しながら、最初から許している織莉子。

織莉子はきちんと、キリカのことを大事な人だと認め、その上でキリカの危険も承知で一緒に魔女狩りを行っている。

友人にまで痛みを伴わせてまで戦う織莉子と、友人の為にその身を投げ出す覚悟を持つキリコ。そして、友人の為にすべてを1人で引き受けるほむら。

友人を大事に思っていることは一緒であっても、なんと対照的なのであろう。

 

まどか「おなかすいたねー。どこか寄ってく?」

さやか「おーいいねえ! アイス食べたいな。トリプルで!」

仁美「さやかさん、お腹こわしますわよ?」

まどか「わたしはドーナツがいいなあ。ほむらちゃんは?」

ほむら「私はあなたの好きなものでいいわ。まどか」

放課後の教室。

みんなで帰宅しようとしている。

この時間軸では、この5人が仲良く一緒につるんでいるようだ。

とはいえ、ほむらの視線の先にはまどかしかいないわけなのだが。

 

その時、放送室が乗っ取られて、放送が始まった。

 

キリカ「この放送はッ、私とッ、織莉子がッ占拠した!」

キリカと織莉子が放送室をジャックしたのだ。

そして、織莉子の視線の先には、まどかの姿が。

 

キュゥべえ(詰める気だね、織莉子・・・)

キュゥべえ(キミの能力は解った。目的もね)

キュゥべえ(大それたことだ。キミの・・・ いや、人間の考えることはいつも理解できないよ)

キュゥべえ(美国織莉子。キミを処分させてもらうよ)

キュゥべえがとうとう織莉子の企みに気付いた。

元々魔法少女狩りをしていたのが織莉子たちだということには気が付いていたが、エントロピーの損得でしか動かないキュゥべえは、様子をみていたのだろう。

しかし、キュゥべえはまどかの存在を知ってしまった。

そして、織莉子にまどかを殺させるのは、大きな損失になることも理解した。

だから、キュゥべえは織莉子を始末することにしたのだ。

 

学校内に魔女の結界が出現した。

使い魔にあっというまに食べられて死んでしまう先生。

そして、使い魔がまどかに迫り来る使い魔。

もうダメかと思ったとき、魔法少女に変身したほむらが助けにきた。

 

ほむら「ずいぶんと色々なことが起こる時間軸ね」

まどか「・・・!?」

ほむら「まあいいわ。私のやるべきことはいつだってひとつ」

ほむら「それを邪魔する物は排除するだけ」

まどかはほむらが魔法少女だということは一切知らなかったであろう。

まどかの反応を見てもそうだし、キュゥべえがまどかの素質に気付いていなかったのも、極力そういう形での接触を避けたからだろう。

 

シーン変わって、巴マミが戦闘中である。

しかし、すぐに使い魔の紐のようなもので拘束されてしまう。

 

ゆま「ありゃりゃ。捕まっちゃった」

杏子「ったく。何やってんだか」

あっさりとマミを助け出す2人。

どうしてこんな場所に杏子とゆまが居たかというと、キュウべえが召集をかけたらしい。

白い魔法少女が暴走していると。

 

シーン変わって、ほむら。

まどかをかばいながら戦っている。

しかし、そのほむらに対し、まどかは不満をぶちまける。

 

ほむら「怯えなくていいわ。あなたは私が守る」

まどか「違う・・・ 違うよ・・・ そうじゃないよッ!」

まどか「なんで? なんで私だけなの?」

ほむら「まどか?」

まどか「助けてくれたのはすごく嬉しいよ・・・ でも でも・・・」

まどか「さやかちゃんも仁美ちゃんもここにいるんだよ!」

まどか「ひどいよ・・・ 二人もわたし達の友達なのに」

まどか「なんでほむらちゃんは平気な顔してるの?」

まどか「なんで? なんでわたしだけ助けるの? ほむらちゃんはすごい力を持っているのに!!」

まどか「みんなを見捨てて逃げるなら、わたし助からない方がよかった・・・!」

ほむら「まどか。助からない方がいいなんて言わないで」

ほむら「私だって万能じゃない。すべてを救うなんてできない」

ほむら「でも、それでもあなたを救いたかったの」

ほむら「だから言わないで」

ほむら「ここからは私一人でいくわ。その結界の中にいれば使い魔たちは手を出せない」

ほむら「私が戻るまでそこで待っていて」

まどか「ほむらちゃん。ひどいこと言ってごめんね・・・ 帰ろ」

まどか「一緒に帰ろ・・・」

ほむら(必ず帰る。そのために私はここにいる)

TVアニメ版や小説版にもなかった、ほむらを攻め立てるまどか。

ほむらはほむらで、他の時間軸ではみんなまとめて助かる道も模索していた。

しかし、それはどうしても無理だという結論に達したので、まどかを救うことだけを最優先にしている。

まどかはそんなことは一切しらないわけだから、そういう風にほむらを責めることができる。

必ず帰る。そのために私はここにいる。

このセリフが、ほむらとまどかの関係と、織莉子とキリカの関係がまったく対照的なことを物語っている。

まどかを救うために一人ですべてを引き受けるほむらと、世界を救うためキリカにまで犠牲を願う織莉子。

 

そして、ほむらは織莉子の元へとたどり着いた。

 

織莉子「貴女のこと知ってるわ。あの場所に居た子」

織莉子「世界の終末に」

織莉子「私は何度も繰り返しあれを視ては現在を動かし世界を救う方法を探した」

織莉子「そして、あれが何であったのか知った」

ほむら「・・・それが理由で学校に結界を敷いたの?」

織莉子「驚いたわ。貴女はあの場所にいた貴女なのね」

ほむら「ならば私の話が理解できるでしょう」

織莉子「終末を避けるため。世界を救うため。鹿目まどかを排除する!」

織莉子「あれを見て尚、鹿目まどかを諦められないのね。残念だわ」

ほむらも織莉子も同じ終末を見ている。

ほむらは実際の目で見て、何度も時間を繰り返した。

織莉子は何度も何度も、予知で見ていた。

この作品で織莉子は、ほむらの最強のライバルとして描かれている。

 

そこに、杏子、ゆま、マミが助けに来た。

 

マミ「おかしいわね。どこにも魔女の姿がないわ」

杏子「知ったことかよ! 織莉子を倒して終いだろうが!」

マミ「そうはいかないわ。まずはこの結果意をなんとかしなきゃ」

その姿をみて、突如涙を流して泣きだす織莉子。

 

織莉子「可哀相に。あの嘘吐きに騙されて真実に耳を貸そうともしない哀れな子達」

キリカ「4対か・・・ いや、巴マミ一人にも勝てなかった私は足手まといかな」

キリカ「魔法少女のままじゃね」

マミ「?」

キリカ「そろそろだ。織莉子」

キリカ「もう私は結界が張れるくらい引っ張られてるんだから」

織莉子「・・・っ!」

キリカ「大丈夫。私は何になっても決して織莉子を傷つけたりしない」

キリカ「いや むしろこうなることでキミを護ることができるならば私は」

キリカ「安らかに絶望できる!」

織莉子「キリカ。真に絶望するのは貴女じゃない。真実を知るあの子達よ」

魔法少女と魔女の仕組みも、織莉子やキリカは知っていた。

キュゥべえに利用されているということも。

もちろんほむらは知っているわけだが、他の魔法少女たちはそのことを知らない。

そして、キリカは魔女化した。

しかも自分の意思でだ。

 

織莉子(みんな真実を受け入れられないのね」)

織莉子(何が起こったのか彼女達は理解しているはず)

織莉子(しかし受け入れられない。異物のように毒のように)

織莉子(えづき侵され壊れていくだけ・・・ だから、心乱れてまともに戦えない)

織莉子(あの魔法少女達と同じ・・・)

織莉子(私は真の恐怖を識っている。こんな真実恐れることなどないわ!)

織莉子(自らの運命すら受け入れられずただ立ち竦む、哀れな魔法少女達)

織莉子「せめて安からに眠りなさい!」

織莉子「そうね。貴女は識っていたわね。手を組めたら良かったけど無理ね。貴女は」

織莉子「鹿目まどかを守ろうとしている!」

ほむら「まどかを殺そうとしてる!」

魔法少女と魔女の仕組みも、キュゥべえの企みもすべて知っている2人の戦いが始まった。

ほむらは織莉子と。マミ、杏子、ゆまは元キリカな魔女と戦闘にはいる。

 

マミ(魔法少女が魔女に!? 私もああなるっていうの?)

さすが頭の回転の速いマミである。

早速、魔法少女と魔女の関係について気付いた。

 

織莉子「成る程。時間操作の魔法ね。それならば貴女の存在が理解できるわ」

ほむら(美国織莉子の魔法はおそらく予知。だけどそれだけでは私の攻撃は避けられない)

ほむら(あの魔女のスピード。その魔法が彼女にも作用しているのだろう)

ほむら(予知で攻撃を読み高速で着弾前に避ける。あの魔女を先に倒せばいいのだけれども)

織莉子(そんなこともお見通し・・・ ね)

ほむら(なんてイレギュラーの多い時間軸・・・)

ほむら「何度繰り返したの?」

織莉子「あと何度繰り返すの?」

織莉子「貴女が歩いた昏い道に。望んだものに似た景色はあった?」

ほむら「黙りなさい・・・ 黙れッ」

織莉子「私は貴女とは違う」

織莉子「道が昏いなら自ら陽を灯す」

織莉子「違う道に逃げ続ける貴女が私に敵うはずがない」

レビューとは関係ないけど、織莉子のセリフはマミとは違うベクトルで厨二病でタイピングしにくいです。

一般的な使い方をしない読ませ方が多い。

マンガだから仕方ないのかもしれませんが。

 

あるいは逃げと捉えられても仕方がない、何度も何度も時間をやりなおすほむらの時間遡行。

一方、短絡的ともいえなくはないが、自分の中で最善ではないにせよ、最良の方法で立ち向かう織莉子。

まさに、織莉子はほむらの真のライバルといえよう。

 

そして、あっという間に魔女にやられて傷つき倒れる杏子とマミ。

 

ゆま「あ・・・ ああ・・・ まってて。すぐ治すから!」

杏子「いい・・・! ゆま! おまえは逃げろ」

マミ「そうね・・・ 傷を治してどうするっていうの? 見たでしょう? ソウルジェムは魔女を産むのよ」

マミ「魔女になるくらいならここで死んじゃった方がいいじゃない・・・」

この時間軸でも、真実を知ったマミは絶望に打ちひしがれた。

TVアニメ版10話だと、マミは発狂して杏子を撃ち殺してしまう。

しかし、この時間軸では魔女にダメージを受けていて、杏子を撃ち殺す力も残っていない。

 

しかし、ゆまは諦めてしまったマミや杏子も治療魔法で治療した。

 

マミ「治ってる・・・」

杏子「ゆま!?」

ゆま「ゆまはね、ママにいじめられたときいつも考えてたよ」

ゆま「死んじゃった方がいいって」

ゆま「でも魔女に襲われて死んじゃうってとき、ゆまは必死に生きようとした」

マミ「いつか私達はその魔女になるのよ」

ゆま「いつかはいまじゃないよ」

ゆま「ひとはみんないつか死ぬよ」

ゆま「キョーコとマミおねえちゃんは、ほんとうにいま死ぬの?」

本当に奇跡のような時間軸だ。

ゆまの行動、発言がマミや杏子の気持ちを諦めから別方向に向けた。

 

ほむら(また・・・ 失敗するのか・・・)

ほむら(私一人ではこいつにすら敵わないの?)

ほむら(また・・・ また失うの?)

絶対ピンチのほむら。

ほむらの実力は、魔法少女になったまどかを除けば、魔法少女の中でも1番のはずだ。

そんなほむらをピンチに追い詰めるとは、織莉子の実力は相当のものだ。

とはいえ、織莉子の強さは魔女になったキリカとの複合攻撃によるところも大きい。

 

巴マミの連続砲撃

その軌道を千歳ゆまの衝撃派でずらし回避を困難にし

砲撃の隙間を縫うように佐倉杏子の攻撃が展開する

杏子「ったく! ガキに説教されるなんてあたしもヤキが回ったかな。らしくないね」

マミ「キュゥべえのやつとっていめてやるわ」

マミ「でもその前に」

杏子「織莉子だ!」

マミ「ティロ フィナーレッ!」

完全に息の合った3人の攻撃が魔女になったキリカに襲い掛かる。

形勢逆転。

魔女化したキリカを討伐した。

 

ほむら「やめなさい。そのまま魔力を使い続ければあなたも魔女になるわ」

杏子「往生際が悪いね。観念しなよ」

マミ「もうあなたには何もないわ」

ゆま「わるいことはさせないんだからね」

ほむら「終わりよ。美国織莉子」

 

ほむら(未来を受け入れられずに絶望してきた彼女達が今、団結している)

ほ むら(このイレギュラーだらけの時間軸は、私の旅を終らせる奇跡を起こしてくれるの・・・?)

魔法少女が全員団結するなんてこと、ほむらが過ごしてきたどの時間軸にもなかった。

ゆまの存在があったからこそ組み合わさった歯車のようだった。

 

そこに、キュゥべえが現われた。

 

キュゥべえ「キミは本当に困った子だね。織莉子」

キュゥべえ「ボクの目を彼女から逸らす為にゆまの存在を教えたり、魔法少女狩りなんて騒ぎを起こしたんだね」

キュゥべえ「その隙に彼女を見つけ魔法少女になる前に始末するつもりだったのに、明美ほむらがいた」

キュゥべえ「それでこんな強攻策にでたのかな」

キュゥべえ「残念だったね」

ほむら「インキュベーター・・・!!」

織莉子「インキュベーター・・・!!」

キュゥべえ「ボクは見つけたよ」

キュゥべえ「鹿目まどかを見つけたよ」

キュゥべえが織莉子の企みに気付いた。

QB自体が正義の使者どこから、絶望を生み出している原因になっている事に以前から気付いていたのは、ほむらと織莉子とキリカだけだった。

そして、キュゥべえはとうとう見つけてしまったのだ。

圧倒的な絶望を生み出す素質を持った鹿目まどかの存在を。

 

場所は変わってまどか達。

 

まどか「さやかちゃん、仁美ちゃん、大丈夫?」

さやか「ここにはおばけがいなくて助かったよ。おまけにまどかまでいるなんて超ラッキーじゃん。ははっ」

まどか「わたし行かなくちゃ」

仁美「行くって何処にですの?」

まどか「ほむらちゃんが戦ってるの」

さやか「戦ってるってほむらが? あのおばけ達と?」

さやか「まどか。アンタが行ってどうなるっての? ほむらがどうしてあんなのと戦えるのかわからないけどさ」

さやか「まどかが役に立つわけないじゃん。どうせほむらの足ひっぱるだけでしょ」

仁美「さやかさん! 言いすぎですわ」

さやか「だからさやかさんが助太刀してやろうかな」

さやか「友達でしょ。ほっとけないって」

まどか「さやかちゃん・・・」

さやか「ほらっ。さっさと行くよ。仁美も!」

仁美「こうなったらなんでも来い! ですわ」

使い魔のことを、「おばけ」と呼んでいるあたり、魔女や魔法少女のことは一切知らないのだろう。

さやかは、「ほむらがなぜあんなのと戦えるのかわからない」 といっているし。

この時間軸は本当に特殊だ。

さやか、仁美までがほむら達魔法少女と仲違いすることなく、ひとつになっていく。

ほむらを助けに走る、まどか達だった。

 

織莉子「私はこの美滝原を・・・ 世界を守る為に戦ってきたというのに貴女達は・・・」

織莉子「鹿目まどかは最悪の魔女になるのよ。生かしてはおけない!」

ほむら「まどかを魔法少女にはさせない。私が」

ほむら「それに・・・ あなたに訊きたいことがあるの」

しかし、話の途中でほむらに攻撃を始める織莉子。

 

ほむら「やめなさい! もうあなたのソウルジェムは限界なのよ!?」

織莉子(解る! 鹿目まどかがもうすぐここに来る。退くわけにはいかない!!)

織莉子(時間停止を連発させて暁美ほむらの魔力を削ぐ! キリカの速度低下もまだ持続している!)

織莉子(鹿目まどかがここへ入った瞬間、全魔力を使って攻撃を仕掛ける。明美ほむらの時間停止能力さえなくなれば)

織莉子「私の勝ちだッ!」

そこに向かってマミの銃弾と、ゆまのハンマーが襲い掛かる。

しかし、ハンマーは避けられ、織莉子はゆまを攻撃しようとする。

 

杏子「撃たせるかッ!!」

杏子はゆまを守るため、織莉子に向かって自身の槍を投げつける。

織莉子はその槍をかわそうとした

キリカの使った速度低下の魔法は未だ効いている。

少し体を反らすだけで、簡単に避ける事ができる。

しかし、出来なかった。

織莉子が槍を避けてしまうと、杏子の鋭利な槍は一直線にキリカの死体へと向かって飛んでいってしまう。

 

織莉子(あれはもうただの死体だ)

織莉子は槍の先に居るのがキリカではなく、既に死んでしまった残骸であることは理解している。

しかし、その時、織莉子が魔法少女になった祈りを思い出す。

 

織莉子の父親は議員だったのだが、汚職が発覚して自殺してしまう。

周囲の人たちは織莉子のことを美国議員の娘としか見てくれない。

 

キュゥべえ「うん! キミの祈りがソウルジェムを生むんだ」

織莉子「私の願いは・・・ みんな私のことをお父様を通してしかみてくれない・・・」

織莉子「私がお父様の一部に過ぎないというのなら、何故私は生きてるの?」

織莉子「私は・・・」

織莉子「私が生きる意味を知りたい」

誰も織莉子のことを、たった一人の織莉子としてみてくれていなかった。

織莉子はそんな自分の生きる意味を知りたいと願い、魔法少女になった。

知りたいという渇望が、織莉子に予知の魔法を与えたのだろう。

そして、今になって織莉子はやっと知ることになった。

自分の生きる意味を。

織莉子はキリカの死体をかばう為、身を挺して杏子の槍を受け止めたのだ。

織莉子の胸に深々と突き刺さった槍。

勝負はあった。

銃を構えたほむらが織莉子の元へと近づく。

 

織莉子「撃たないの?」

ほむら「撃つわ。ひとつ答えて。あたなは何故こんな戦いを挑んだの?」

織莉子「私の世界を守るため よ」

 

ほむらの銃が火を噴いた。

その弾丸は織莉子のソウルジェムを砕く。

 

織莉子(暁美ほむらは失敗する。世界はもうすぐ終るだろう)

織莉子(私は何も成せなかった)

織莉子(くやしいなあ・・・)

織莉子(キリカのカケラ・・・?)

おそらく織莉子は最悪の魔女の出現を予知出来たが、幸せになる結末まで予知するのことはできなかったのだろう。

だからこそ、ここまで足掻いていたのだ。

そこに、天井からキリカであったカケラが落ちてきた。

 

織莉子(最後の一撃!!)

織莉子は最後の力を振り絞って、キリカのカケラを叩きつける。

そのカケラはものすごいパワーを持って、キュゥべえへと襲い掛かる。

が、キュゥべえには当たらず、織莉子は力尽きた。

 

杏子「終ったのか?」

ほむら「ええ。死んだわ」

ゆま「わあい。魔女の結界がとけたよー」

マミ「ひとまず安心ね」

ほむら「みんな・・・ 聞いて欲しいことがあるの」

これで、魔女殺しに関しては一件落着だ。

あとの懸念材料は、後日見滝原にやってくるワルプルギスの夜だ。

イレギュラーだらけの時間軸。

奇跡的に魔法少女達の心はひとつにまとまっている。

これならワルプルギスの夜も倒せるかもしれない。

ほむらがそう思ったその時・・・

 

声「キャアアァアッ」

ほむら(今の声は・・・)

マミ「あっあそこ! うぐくまってる子達がいるわ」

キュゥべえ「やれやれ。やってくれたね、織莉子は」

杏子「ゆま。間に合うか?」

キュゥべえを狙ったかのように見えた織莉子の最後の一撃。

それはキュゥべえを狙ったものではなかった。

 

キュゥべえ「織莉子が最後に狙ったのはボクじゃない・・・」

キュゥべえ「彼女さ」

織莉子の一撃は壁を貫通し、見事にまどかの胸を打ち抜いていた。

それはまどかを一瞬で即死させる一撃だった。

ゆまの治療魔法も死者には使えない。

 

この時間軸でもほむらはまどかを救うことはできなかった。

 

「私の世界を守るためよ」

織莉子は自分の世界を守ることが出来た。

最後には、織莉子を織莉子として接してくれた大事な友達を守る為に身を犠牲にまでした。

ほむらは静かに盾を使い、また時間を遡った。

 

別の時間軸であろうか。

それとも魔女の結界内か死後の世界か。

わからない。

そこに2人の少女がいる。

 

キリカ「どうしたのキミ。こんなとこ座り込んで。うちの生徒じゃないみたいだけど」

織莉子「私はたくさんの人を殺したの」

織莉子「結果としてたくさんの人を救ったけど、それでも私には重すぎて立てないの・・・」

キリカ「じゃあ!」

キリカ「私が半分持ってあげよう!」

織莉子「え・・・」

キリカ「だから一緒にいこう」

二人は救われた。

そう解釈してかまわない。そんなラストだった。

 


 

 

というわけで、魔法少女おりこ☆マギカ第2巻のレビューでした。

正直リアルタイムで初めて見たときは、つまらなくはないけど、滅茶苦茶面白いわけでもないなぁ。なんて思っていました。

が、他の派生作品をすべて見て、キャラクターの生い立ち、理念などを自分なりに知った後に見ると、おりこマギカ自体もすごく面白い作品に思えて来ましたし、また、おりこマギカに出てきたメイン魔法少女達の心理を知る事によって、他の派生作品もまた深みが生まれるという相乗効果が生まれています。

もちろん、作品単体で見てしまうと魔法少女おりこ☆マギカは凡作の域を出ないと思います。

しかし、魔法少女まどか☆マギカというワールド全体を通してみると、なくてはならないスパイスになっていることは確かです。

主役にはなれないが、なくては味気ない。そんな作品でした。

 

この作品や登場キャラたちは是非、OVAやテレビアニメまどか☆マギカ2期、劇場版などを製作して活かしてもらいたいです。

 

当記事で使われているセリフの引用元:魔法少女おりこ☆マギカ(2)

ムラ 黒江 (著), Magica Quartet (原著),芳文社(出版)

引用されている画像及び、動画の著作権は各権利所有者に帰属致します。

再配布・譲渡・販売はご遠慮願います。

 

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コメント

  1. madoka より:

    >>p2155-ipbf1204akatuka.ibaraki.ocn.ne.jp様

    貴重な御意見ありがとうございます。
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